内容説明
「この出来事は、わずか一世代前には、想像さえも及ばないものだった。しかし、それは現実に起こったのだ」膨大な記録資料にもとづくナチス・ホロコースト研究の最重要文献。
目次
第1章 予備的考察
第2章 前史
第3章 絶滅の構造
第4章 ユダヤ人の定義
第5章 収用
第6章 強制収容
第7章 移動殺戮作戦
第8章 移送
著者等紹介
ヒルバーグ,ラウル[ヒルバーグ,ラウル][Hilberg,Raul]
1926年ウィーン生まれ。1939年ナチの迫害を逃れてアメリカ合衆国に渡る。1944年帰化するとともにヨーロッパ戦線に加わる。終戦直後枢軸国軍人の尋問担当将校に任命され、1946年除隊。1951~1952年ワシントンの戦時文書研究計画の一員となる。1955年コロンビア大学で政治学博士号を取得。翌年ヴァーモント大学准教授、1967年より正教授となり、1991年に退職。2007年逝去
望田幸男[モチダユキオ]
1931年甲府市生まれ。京都大学大学院博士課程修了、文学博士。同志社大学名誉教授。専攻はドイツ近現代史
原田一美[ハラダカズミ]
1951年西宮市生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程満期退学、文化史学博士。大阪産業大学人間環境学部教授。専攻はドイツ現代史
井上茂子[イノウエシゲコ]
1954年山口市生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程満期退学、国際学修士。上智大学文学部教授。専攻はドイツ現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タキタカンセイ
2
深緑野分さんが推薦していたので読みました。ホロコーストの本は何冊か読んでいますがここまで徹底的に書かれた本は初めてです。上巻はユダヤ人迫害の歴史的、宗教的背景の記述から始まります。本書に原因の分析はありません。あるのは膨大な事実の集積です。読者は否応なしにこれからホロコーストが始まろうとしている現場へ連れて行かれます。2021/10/11
ナツメ
2
膨大な調査をもとに、ホロコーストまでの一つ一つの足跡を丁寧に追っている。読むのはかなり精神的に辛いが、大事な記録。2021/08/18